はじめに
OmegaChartは、「拡張キット」とよばれる仕組みによりチャートに表示する指標、スクリーニング条件、自動売買のルール、検証するセオリーの内容をかなり柔軟に拡張することができます。このような仕組みを採用していることがOmegaChartの最大の特徴といってもいいでしょう。これを駆使すると、銘柄発掘や売買戦略に大きく役立つと思います。
テクニカル分析で組み合わせたい指標類は膨大ですし、一度は満足しても後で別の指標を使いたくなることは多くあります。そこで、ユーザ自身が式を書くことで自由にカスタマイズしてもらおうというのが基本的な発想です。
似たような特徴を持ったソフトにはたとえばパイロン(*1)、Protraなどがありますが、もしそれらと比較して欠けている機能があればぜひリクエストしてみてください。
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拡張キットの発想
まず、例題として、拡張キットがどういう発想のものであるかを説明します。(*2)
さて、信用取組に注目してスクリーニングをすることを考えてみましょう。買い残が多い銘柄は将来の売り需要が多いので上がりにくく、売り残が多い銘柄は逆に下がりにくいという考えにもとづいたスクリーニングです。
信用取組の指標として一般的に使われるのは貸借倍率です。これは、
買い残 / 売り残
で表されますが、もし次のような状況を考えるとどうでしょうか?
| 銘柄 |
出来高 |
信用買残 |
信用売残 |
貸借倍率 |
| A |
100,000 |
50,000 |
25,000 |
2.0 |
| B |
100,000 |
100,000 |
50,000 |
2.0 |
貸借倍率はどちらも2.0です。しかし、出来高に対する比率では銘柄BがAの2倍あるので、仮に信用取引をしている投資家が一斉に決済を試みたとすると、それが市場に与えるインパクトはBはAの2倍あるといえます。従って、現在は買い残が多い状況ですので、信用取り組みからいえば銘柄Bが悪いといえます。
このことは貸借倍率だけをみているとわかりません。極端な話、出来高100,000、買残2000、売残1000でしたら信用残の影響は無視できるわけですが、それでも貸借倍率には反映されないのです。
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式の考案
では、出来高を考慮に入れて信用取組を測定するにはどうすればいいでしょうか? 当然、
(信用買残 - 信用売残) / 出来高
という計算式が素直な答えです(*3)。しかもこれなら、貸借倍率と違って信用売りのできない銘柄にも適用することができます。これをOmegaChartの解釈できる式に直すと、
( cl()-cs() ) / volume()
となります。これらの項目が何を意味しているかは後で説明します。
拡張キットは、このようにしてさまざまなテクニカル指標を考案・追加できる仕組みです。以下で、詳細な作り方を説明します。
重要な注意 拡張キットは確かに使いこなすと便利なのですが、自分で作るには次のような予備知識を必要とします。以下の解説もこれらの予備知識があるものとしています。
- XMLの構文と書き方
- プログラム言語の一般的な知識(演算子・式・型などの概念)
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拡張キットの作成
拡張キットは1個のXML形式のファイルです。この例題の場合、
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<omegachart-extension version="1.0">
<info title="例題" />
<screening
name="credit_s">
<title>信用残/出来高比</title>
<header>(信用買残 - 信用売残) / 出来高</header>
<expression>(cl()-cs())/volume()</expression>
</screening>
</omegachart-extension>
となります。(*4)
このファイルをOmegaChartのツール - 拡張キットメニューから追加するとこの信用取組判定に基づいたスクリーニングが利用可能になります。OmegaChartに最初からついている指標も拡張キット形式ですので、(OmegaChartをインストールしたディレクトリ)\extension\default.omegaファイルを見てもらえると他の例を見ることができます。
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